梶原吉広のリオ五輪強力な秘密兵器飛び級ハーフ軍団

リオ五輪の秘密兵器は「飛び級ハーフ軍団」です。日本サッカー協会の霜田正浩技術委員長(48)が3日、JFAハウスで五輪出場権獲得と優勝を果たしたU―23アジア選手権の大会総括を行いました。本大会に向けた選考方針にも言及し、1つ下の東京五輪世代から抜てきする意向を明言しました。特に注目を集めるのが、大化けの可能性を秘めるハーフ選手たちです。霜田委員長は注目を集めているオーバーエージ(OA)枠の使用について「勝つために、そのルールがあるならきちっと使ったほうがいい」と私見を語り「これから強化部会があるので、手倉森(誠)監督とも相談しながら決めていきたい」と方針を示しました。ではOA以外でサプライズはないのでしょうか。その答えが、リオ世代の下にあたる2020年東京五輪を目指す1997年以降に生まれた選手の大抜てきです。「あると思う。というか、あったほうがいい」と霜田委員長は断言しました。さらに「例えば高卒でデビューした選手がいきなりブレークして、手倉森監督の目に留まって、五輪にという選手が出てきてほしいです。積極的に探していきたい」と重点的に視察する方針を明らかにしました。現時点で無名のU―19選手が半年後にリオで日の丸を背負うのは並大抵のことではできません。それでも、そのハンディを克服して力を発揮してくれる可能性を秘めているのがハーフ選手です。フィジカル、技術の両面で時に日本人離れした爆発的な成長スピードを見せるケースもあり、本番までに大ブレークすることも十分に考えられます。

有力候補の一人がJ1神戸のMF増山朝陽(19)です。日本人の父とスペイン系フィリピン人の母を持つ増山は97年世代の早生まれで、同年代より一足先に昨季Jデビューしました。東福岡高時代に「ヒガシのクリロナ」と呼ばれたマッチョボディーから繰り出される高速ドリブルが武器で、高卒ルーキーながらリーグ戦9試合に出場しました。9月の天皇杯2回戦の長野戦でプロ初ゴールもマークしました。また、ともにコンゴ人を父に持つ大型選手で、矢板中央高の同級生でもあるDF星キョーワァン(18)とFW森本ヒマン(18)の潜在能力は一流です。桐光学園高のMFイサカ・ゼイン(18)も日本高校サッカー選抜に入るなど大きな可能性を秘めています。

あえて飛び級の抜てき枠を設けたのには意味があります。Jリーグの村井満チェアマン(56)が「男子サッカーが東京五輪で金メダルを取れるように逆算して、リオでは頑張ってほしい」と話すように、4年後に待ち受ける東京五輪は優勝が責務です。08年北京大会に飛び級で出場したMF香川真司(26=ドルトムント)が飛躍的な成長を遂げ、今の日本代表の中心選手となった例もあり、飛び級招集には東京世代のエース育成の狙いもあります。

U―23アジア選手権ではジャマイカ人の父を持つFW鈴木武蔵(21=新潟)と、ナイジェリア人ハーフのFWオナイウ阿道(20=千葉)が活躍してます。2人に続くスターは現れる事を願います。

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